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監督:カート・ウィマー
製作:ヤン・デ・ボン 『スピード』 『スピード2』 『ツイスター』
出演:クリスチャン・ベール 『ポカホンタス(声)』 『アメリカン・サイコ』 『コレリ大尉のマンドリン』
ウィリアム・フィッチナー 『コンタクト』 『パーフェクト・ストーム』 『ブラックホークダウン』
エミリー・ワトソン 『レッド・ドラゴン』 『ゴスフォード・パーク』
テイ・ディッグス 『シカゴ』
ショーン・ビーン 『ロード・オブ・ザ・リング』ボロミア役
分類:洋画・アクション・近未来・武術
同系:『MATRIX』
洗脳社会を打ち砕くのは、史上最強の人間凶器クラリック!
彼はたった一人で国家に反逆する!
ストーリー
舞台は第三次世界大戦後の世界。
戦争の原因となる残虐の根源、感情を抹殺してしまおうと
世界の独裁者ファーザーは、全国民に感情を麻痺させる薬の投与を命じていた。
感情を増進させる絵画、音楽、詩や映画に触れることは禁止され
その厳しい規約を守るためにクラリック(聖職者)と呼ばれるものが動いていた。
クラリックは規約違反、つまり薬を投与せずに感情を持っている人物を検挙し
火刑に掛けたり、虐殺をしたりする者だった。
そのクラリックの一人、ジョン・プレストンは副総裁デュポンにも一目置かれていた。
プレストンはガン=カタという武術の達人で、最強の暗殺者でもあった。
だが、プレストン自身の妻も感情違反で火刑に処されており
ある時、彼はふとしたことから感情を抑制する薬の投与を忘れ、感情を覚えてしまった。
感情を覚えた最強のガン=カタ達人が、世界を変える…。
YUE'S EYE
世界は近未来の設定だけど、「なんじゃ、こりゃー」というロボットや
「どういう仕組みだろう?」と考えてしまう空中都市は出てこないです。
なんだかすごくリアリティーがあるというか、ありそうな未来像。
ドイツナチスや社会主義を思い起こさせる、個人という概念のない世界。
音楽や詩集など、人間の感情を刺激するものが禁止というのが、歴史的にみても有り得る。
全体的にも、フランスの市民革命や、ドイツのベルリンの壁崩壊を思いました。
戦争と独裁、リベリオン(反逆者)の歴史は繰り返すと言われたような気がした。
まぁ、監督がそれらの歴史的事件を意識したかどうかは分からないけど。
この映画のために作ってしまったという武術「ガン=カタ」はスゴイ!
東洋と西洋の術をそれぞれ併せ持った、攻撃と護身を同時に行う武術。
無駄な動きが一切なく、舞うようにして敵を圧していく。
その鋭いアクションシーンを撮るのは、さすがヤン・デ・ボンという感じ。
でも、ただのアクション映画では終わってないというのがポイント高し。
薬の投与をやめてから、たった5日間で感情を取り戻していくプレストンが
それを総裁や部下に悟られまいと必死に感情を隠す。
ガン=カタのアクションもすごいけど、その演技力もすごい。
プレストン役のクリスチャン・ベールの演技力に改めて感嘆。
独裁国家と、それに抵抗をするレジスタンスの戦いの物語というのは、近未来の映画ではよくある。
『スターウォーズ』だってそうだし、『MATRIX』もそれに少し近い。
そういう設定や、衣装、和風武術の辺りで、やはり『MATRIX』のキアヌと比べられるようだけど
キアヌはきっとプレストン役をやるには、とてもピュアな目をしてるんだと思う。
キアヌがプレストン役だったら、「ほんとは優しいんでしょー?」って言いたいもんw
いや、別にクリスチャン・ベールが冷たく見えるとか言うのではなしにね。
映画の前半で見せる感情のない冷徹なクラリック(聖職者)としての姿と
政府に対する怒り、愚かだった自分への情けなさ、言いようのない悲しさ
誰かに感じる愛しさ、今にも叫びだしてしまいそうなほどに溢れてくる感情を
必死に隠して公務を続けようとする葛藤は、クリスチャン・ベールだから出来た。
んで、登場時間はそんなに長くないのに政府に対抗するレジスタンス達のリーダー役の
ウィリアム・フィッチナーは、やはり存在感があるなぁと思いました。
『コンタクト』で盲目の天文学者役をやった俳優さんですねー。
あと、レジスタンス達のジャンヌ・ダルク的存在の女性としてエミリー・ワトソン。
大人しく見えて心に激情を秘めた、強くて美しい女性の役どころです。
かっこいいアクションと、演技力抜群の俳優陣。
見ごたえは充分だし、楽しめるんじゃないかな。
この映画を作った人は、すごく上手だと思う。
普通、映画って言うのは見た後に何かを「考える」ものでしょう?
映画の製作者がストーリーに埋め込んだメッセージを、あたしたちが拾う。
そしてそれぞれが、そのメッセージをどう受け止めるかを考える。
でもこの映画を見た後に、あたしは自分に感情があることを「実感」しました。
この映画を見て何かを感じることが出来れば、心はちゃんと生きてます。
考えるより先に、感じること。
それが人間の本来あるべき姿なのかな。
この映画で、あたしはこんなことを「感じ」ました。